お酒との付き合い方
From 「大島暁美著作集2」
 
後編

大島:あの頃から、酔っぱらうと飛び降りる癖があったのかもしれない。
HIDE:ああ、浦安ね。
大島:TOSHIのNKホールのライブのとき、みんなで浦安のホテルで飲んだんだよね。それで、わたしとHIDEがお立ち台から飛び降りっこしてた。
HIDE:「ダイビング!」とかいってね。馬鹿だよな〜。
大島:あのあと、もっと馬鹿なことがあったの、おぼえてる?
HIDE:いつの話?俺、馬鹿なことが多すぎて、よくわからない。
大島:「Seth et Holth」の撮影が終わった日の打ち上げ。
HIDE:ああ、普通の飲み屋で踊り始めてしまった「ソウル・トレイン大島」ね。
大島:あんなの序の口だよ。誰かさんは、交差点の真ん中で転げ回ってたじゃない。
HIDE:ああ、きみはそんなこともしていたよね。
大島:きみはじゃないよ!
HIDE:あれ、俺かい?俺じゃないだろ〜。俺だったっけ?
大島:わたしも、ちょっとだけ一緒だったかもしれない(笑)。
HIDE:そのあとが、さらにすごかった。
大島:ああ、恵比寿のコンビニに行って……。
HIDE:万引きしてた大島(笑)。
大島:あれは万引きじゃない。お金を払う前に、お菓子の箱を開けて食べ始めちゃっただけだよ。
HIDE:そういうのを、万引きっていうんだろうが!それとも、万食いかい(笑)。
大島:でも、HIDEちゃんにそのポッキーをあげたら、喜んでたべてたよ。
HIDE:そういう問題じゃね〜よ(笑)。
大島:あのとき、お金を払ってくれる保護者がいなかったら、本当に捕まってたかもしれない。
HIDE:「大島暁美、××歳、コンビニで万引きして、捕まる」ってか。超カッコ悪い。バイキングじゃないんだから、そのへんにあるものを手当たり次第食べないように(笑)。
大島:一ヶ月に何回、くらいヒデラは登場するの?
HIDE:そんな人聞きの悪い質問するなよ。最近は、あんまりならない。
大島:ホント?大人になったHIDEちゃん。
HIDE:いや、なろうと思ったら、いつでもなれるんだけど。
大島:無理してならなくてよろしい(笑)。
HIDE:何と何を一緒に飲むとヒデラになるっていうのを、覚えたから。
大島:へぇ、教えてよ!
HIDE:教えないよ、そんなもん。そんな恥ずかしいこと、人様にはしゃべれない。
大島:ビールと日本酒。この組み合わせは、苦手でしょ!
HIDE:そうでもない。ビールは意外と、大丈夫だな。
大島:いちばん飲めるお酒って、何?
HIDE:日本酒じゃないかな。バーボンもいけるけど、あんまり飲まないからね。
大島:そういえば、一時期すごく日本酒に凝ってたよね。
HIDE:それは今でも続いてるよ。ていうか、あれしか飲むものがないんだよ。本当はバーボンがいちばん好きなんだけど、バーボン飲むと駄目なんだ。バーボンを飲むといろんな事件が起こってるから。今までの経験上……。
大島:そういえば、HIDEちゃんがバーボンを長く飲んでいるのって、あんまり見たことがない。
HIDE:日本酒だとなにか事件が起こってもなんとなく覚えてるんだけど、バーボンは本当に覚えてないんだ。だから、「朝起きたら死んでた」とかそういうふうになりそうで、恐い。バーボンを飲むと、すぐに死にたがり屋さんになっちゃうからね。
大島:飲むお酒の種類で、アッパーになるとかダウナーになるとか、あるのかな。
HIDE:あるんじゃない。とにかく洋酒は駄目みたい。パッと咲いて、パッと散る(笑)。
大島:わたしは、ワインが駄目なのよ。
HIDE:ワインは、恐いよね。あれは、恐ろしいお酒だよ。
大島:大好きなのに、恐くて飲めないなんて悲しい(笑)。
HIDE:あ〜、それにしても、酒が抜けない〜っ(笑)。
大島:昔に比べて、二日酔いがおもくなったとか、ある?
HIDE:重くなったね。
大島:昔って、あまり二日酔いにならない人だったんじゃなかったっけ?
HIDE:酒が残ってても、行動できないほどではなかった。なのに、今じゃもう、立ち上がれないもん。今日だって、朝、ちゃんと起きているのに、立ち上がれなかった(笑)。それでも、夏場はまだいいよね。冷房をつけないで汗グチョグチョになるまでねてると、酒も三分の一くらいは抜けてる。
大島:自宅サウナ状態ね。
HIDE:布団が、酒臭い、酒臭い(笑)。
大島:HIDEちゃん流二日酔いの撃退方法とか、ないの?
HIDE:ない!ただひたすら烏龍茶を、飲みまくるしかない。あと、俺、二日酔いだと、すごく食べるんだよ。今日もカップラーメンとか、いろいろ食ってきた。
大島:それくらいの二日酔いでも、夕方になると飲みたくなるでしょ。
HIDE:いや。最近は、飲む気にならない。ここんところは、毎日のように朝まで飲んでるけどね。でも、二日酔いの次の日は、自主的には飲みに行こうとは思わないよ。たまたま面白そうなイベントが続いたんで、飲んでしまっているだけ。
大島:二日酔いでも、またお酒を飲んでしまえば元気になる人って、多いけどね。
HIDE:ああ、迎え酒ね。PATAじゃね−んだから(笑)。でも、いちばん健康的な飲み方は、10時から3時頃まで飲んで、それからみんなで旅に出かけるっていうパターンだと思うな。
大島:昔、凝ってたパターンね。でも、ちょっと、それ、美化してない?6時か7時まで飲んで、それから旅に出るんじゃなかったっけ?(笑)
HIDE:それでもいいや(笑)。
大島:LAにいるときも、飲んでるの?
HIDE:一日おきくらいかな。一日おきに、イベントがあるからさ。
大島:なにもイベントがない日は、晩酌とかする?
HIDE:ほとんどしない。
大島:じゃ、まったく飲まない日っていうのも、わりとあるんだ?
HIDE:結構あるよ。ものを作っている日は、全然飲まないからね。煮詰まると、飲みに行っちゃうけど。飲まなくてもいい日は、なるべく飲まないようにしてる。
大島:じゃ、少しは健康的というか……。
HIDE:いやあ−、一日に飲む最が飲む量だからね。PATAなんて体が慣れてくるまで、ゆっくり飲むでしょ。俺はいきなりガガガ……って飲むから、きっといけないんだよ。なにしろ、お酒が水とか烏龍茶みたいに感じるようになったところから、始まるじゃない。
大島:HIDEってアルコールの度数に関係なく、飲むペースが同じだよね?
HIDE:俺、早いんだよ。ビールでも日本酒でも、ペースは同じ。
大島:それで、地獄へまっしぐらになっちゃう(笑)。
HIDE:でも、俺、飲むと口数が多いよね。あれはあとで考えると、困るんだよな。
大島:そういえば、HIDEって、酔ったときのパターンがたくさんあるよね。
HIDE:説教癖はあるし、暴れ癖はあるし、怒り癖もあるし……。
大島:妙に明るくて、はしゃいでるときもあるし。
HIDE:俺、その中でどれがいちばん嫌いかっていうと、説教癖なんだ。
大島:わたしは、説敦されたことないよ。
HIDE:いや、そんなにしょっちゅうというわけじゃないんだけど・・・。咋日も、説教しちゃったんだ。思い出すと、恥ずかしくなるようなことをいってるんだよ。それで、今朝、自己嫌悪になっちゃった。
大島:自己嫌悪といえばさ。朝、起きたときに頭の中が真っ白だったりすると、すごおい自己嫌悪にならない?
HIDE:なにも覚えてないなら、覚えてないほうが幸せだよ。
大島:そうかな。あとからいろんな人に、「ああだった」「こうだった」とかいわれると、自分がイヤになって家から出たくなくなっちゃう。
HIDE:俺なんか、自分に記憶が残ってて、それが甦ってくると大声だしちゃう(笑)。もうすべてを忘れたくなる。知らないなら、それにこしたことはないって。
大島:要するに記憶があってもなくても、酔っ払いは自己嫌悪のもとってことか。
HIDE:だからといって、飲まないわけにもいかないしね。なんやかんやいってもお酒を飲むと楽しいからさ。
大島:絶対、やめられないということですか。
HIDE:そういうことですね(笑)。

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