午前中から、THE KIDDIEの取材。
実は、この日の取材、前日になって担当編集者との確認ミスが発覚して、時間を早めてもらったので、「絶対に遅れてはいけない」と、少し早めに家を出る。
駅に続く緑道を歩いていると、道端にうずくまっているおばあさんがいた。「お加減が悪いんですか?」と尋ねたら首を振るんだけど、動けないまま。そのまま放っておくわけにもいかず、オロオロしながら「救急車を呼んだほうがいいのかな」と思っていたら、通りかがりの女性が「あ、このおばあちゃん、×丁目のおうちの方よ。今、ご家族を呼んでくるから、あなた、そばにいてね。お願いよ」といって、走って行ってしまった。
が、しかし。
待てど暮らせど、その女性は帰ってこない。おばあちゃんはしゃがんだままだけど、苦しそうな様子はない。
あ〜、どうしよう。このままだと、確実に取材に遅刻してしまう。昨日になって、取材時間を変更してもらったのに、それはなんとしても避けたい……。
時刻はちょうど少し遅めの出勤時間帯だったので、会社に向かうと思われる人たちがポツポツ緑道を歩いていた。でも、みんな、目を合わせないようにするの。きっと目をあわせたら、手伝わなくちゃいけないから、見て見ぬふりをしたんだろうね。その気持ちはわかるけど、わたしも焦ってたから、かなり切なかった(涙)。
ようやく女性がおばあちゃんのご家族の方を連れて、現場に戻ってきた。大事に至らなくてよかったとホッとした次の瞬間、幹線道路に向けてダッシュで走る。電車ではもう絶対に間に合わないから、タクシーに乗ることにしたのだ。
でも、乗ったタクシーの運転手さんが、とても客商売とは思えない横柄な人だった。だって、走って車に乗りこんだわたしへのひとこと目が、「お客さん、この時間帯、急いでるんなら、電車に乗ったほうがいいよ」という言葉。たしかに朝のラッシュ時で、道はかなり混んでいた。それで、いつも必ず渋滞している××という道を通ろうとしているので、「あ、××はいつも混んでるから、他の道を通ってください」といったにも関わらず、聞こえないふりして(?)その道へ。案の定、大渋滞にはまって、タクシーは全然動かなくなってしまった。
編集者からは「まだですか?」という電話がかかってくるし、ホントにもう泣きそうだったよ。最終的に、目的地がよくわからないと途中で下ろされてしまい、取材場所までまたまた走った。朝から、ほんとにドタバタ顛末……。
でも、取材場所にいたKIDDIEのメンバーはいつものように笑顔がさわやかで、なんだか天使のように見えた。ずいぶん遅れてしまったけど、無事に取材も終了して、よかった、よかった。
取材が終わった後、事情を知ってるマネージャーさんが「おばあさんは、大丈夫だったんですか?」というのを聞いて、メンバーが「どうしたんですか?」と聞くので前半部分のいきさつを話したら、佑聖くんが「この国は、狂ってる」とバッサリ。「朝から大変でしたね」「大島さん、いいことしたんですよね」とねぎらってもらえて、それまでのネガティヴな感情とすっきりさらりとさよならすることができた。
この日は、ホントにKIDDIEに感謝、感謝。
午前11時にして、1日が終わったような気分だったけどね(笑)。