ロックンロール日記
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FUCK’N レンタカー

 3泊5日のLA取材旅行。いつものように空港でレンタカーを借りて、3日間を過ごすつもりでいた。まず空港の近くのレンタカー屋で車をピックアップして、ホテルに行く。その後はパーティに出席するため、タクシーで外出。1日目は、何事もなく終わる。

 2日目。メールのやりとりやら細かい仕事をして、午後3時頃、ホテルを出発。小1時間ビバリー・センターでショッピングをして、駐車場にあった車のエンジンをかける。なかなかかからなかったが、とりあえずスタートしたので、サンセットにある巨大スーパーマーケットに行く。ここで水やビールを買って車に戻ると、エンジンがかからない。焦ってレンタカー屋に電話をしようとするが、日本で借りた海外用の携帯の電波が入らず、公衆電話を探すが全部壊れてる。その周辺は、ちょっと治安の悪い場所なのだ。少し離れた場所で生きてる公衆電話を発見し、レンタカー屋のエマージェンシー・コールに電話をする。そのレンタカー屋は世界中に営業所を持つ有名な会社なので、番号をプッシュして人間と話したいとまず意思表示→(ここで待つこと5分)→事情を説明して、日本人の通訳に取り次いでくれと頼む(ここで毎回5分から15分は待たされる)。で、車が動かないといったのだが、「ハンドルを動かしてみたらかかるからしれないから、トライしてみろ」という。駐車場から離れた公衆電話から電話していることと、6時にはライヴ会場に行かなくてはならないことを伝えて車に戻るが、やっぱり何をやっても動かない。あきらめて車をスーパーの駐車場に置きっぱなしにして、会場に向かう。
 ライヴが終わったあと、知り合いのアメリカ人にことの顛末を話したら、「長く停めとくと、レッカー移動されるかも」といわれる。あわててレンタカー屋に電話するが、上の手順を踏むため、なかなか日本人通訳にたどりつかない。で、やっと話をしたら、「今から修理の車を向かわせる」というが、「もう少しこの場所にいなくてはならない。でも、深夜のスーパーマーケットの駐車場で修理を待つのは危険だから、あまり待ちたくない」といったら、「じゃ、そこを出る時にもう一度電話しろ」という。そんなやりとりがあったので、わたしは1日目の楽屋打ち上げは出ていないのだ。
 打ち上げがお開きになった後、知り合いと一緒にもう一度レンタカー屋に電話。だが、今度出た担当者は「新車だから、故障するはずはない。もう一度車に戻って、エンジンを回してみろ」の一点張り。動かないから何度も電話してるんだろーが!と腹が立つが、向こうも譲らないし、知り合いも一緒に行ってくれるというので、スーパーに戻る。だが、もちろん、エンジンはかからない。それで、また電話をしたら、「修理の車が行くまで、1時間そこで待て」という。夜中の2時だよ! それが嫌だから、打ち上げも出ないで、電話してたのに……。知り合いが車に詳しかったので、車を見て、「バッテリーが上がっているみたい」という。彼は男性だったので、駐車場に入ってくるドライバーに片っ端から声をかけ、バッテリー・チャージャー(というのかな)を持ってる人を見つけて、バッテリーを補充してくれた。で、レンタカー屋にもその旨連絡して、無事にホテルに戻ることもできた。
 大騒ぎをしたけど、故障の原因がバッテリーが上がったということだったら、わたしのせいなのかなとかなり落ちこむ。だけど、よく考えてみたら、ビバリー・センターに駐車してたのは1時間以内、スーパーなんて15分。新車なのだから、そんなに簡単にバッテリーが上がるはずがない。それに車の前を回ってショッピング・センターに行くように停めたので、フロント・ライトがついてたら絶対気がつくはずだし、ましてや2007型の新車なんだから、ライトをつけっぱなしでキーを抜いたら警告音が鳴るはずだ。なんだかモヤモヤして、よく眠れない。
 3日目。朝から車のことが気がかりなので、パーキング・マンに電話して、エンジンがかかるかどうかチェックしてくれと頼む。とりあえずかかるという返事だったのだが、「昨日、バッテリーが上がって止まっちゃったのだけど」と事情を説明し、チップをはずんでメンテナンスしてもらう。
 2時半過ぎに、ハリウッドのショッピング・センターに出かける。無事に車はスタートするが、地下の駐車場に停めて念のためにもう一度エンジンをかけようとしたら、またかからない。何をやっても、かからない。仕方なく地上に出て、レンタカー屋に電話する。毎回同じ手順を踏み、日本語通訳を入れて事情を説明したら「1時間以内に修理の車が行くから、車のそばで待ってろ」という。「駐車場は空気が悪いし、電波が届かないから、修理の車が近くに来たら携帯に電話してくれ」と頼むが、「日本の携帯にはかけられないから、車のそばで待て。もう修理の車は出発したから、15分くらいで着くかもしれない」、しかも「車に何かあったら、あなたに賠償してもらう」と脅すのだ。腹を立てながらも真面目な日本人は、車に何かあってはいけないと一人駐車場で修理の車を待った。
 だが、予想通り、1時間たっても修理の車は来ない。また地上に上がって、今度は修理の車を出した営業所にかけてみるが、「あと45分待て」という。「冗談じゃない!」と文句をいい、日本語の通訳につないで欲しいといったら、保留にされること15分。嫌な予感がしてまたかけ直し、最初から手順を踏み日本語の通訳を出してもらうが、「あと45分待て」。もー、めまいがしたよ。昨日から、この会社の人がいうことは嘘ばっかり。時刻は、もう5時近く。あと少ししたら、会場に向かわなくてはならない。お土産を買うために、このショッピング・センターに来たのだが、一軒の店も見ることなくタイムアウトだ。
 故障の電話をすると、毎回、違う担当者が出て、前回のやりとりのレポートをパソコンで見ながら応対する。通訳も、毎回、違う。だから、何回も同じ説明を繰り返さなくてはならず、待ち時間も入れると途方もない時間を必要とする。
 この時の通訳さんは親切な人で、こちらのいいたいことをきちんと通訳してくれた。わたしがいったことを相手に英語で伝える声やその返答も全部聞こえるので、通訳がいい加減だとすぐわかるのだ。結局、この時もまた「あと45分待て」といわれた。何回同じこといって、お客を待たせ続けたら気が済むのだろう。わたしは6時に会場に行かなくてはならないこと、今夜は遅くなるからショッピング・センターの駐車場は閉まってしまうこと、明日日本に帰るからもうここに戻ってこれないことを説明して、「近所に住んでる友達に鍵を渡すから、受け渡しを頼んでもいいか」と提案した。ライヴが終わってから深夜に友達の家を訪ねて、鍵を託すしか方法がないと思ったのだ。しかし、担当者は、わたしのかわりに友達が、車の横で待っていろという。そんなこと頼めるわけないだろーが!! だいたい週末でラスベガスに遊びに行ってる友達は、まだLAに戻ってきてないのだ。
 そしたら、担当者は、「車のダッシュ・ボードにキーを入れ、鍵をかけずに置いておいてくれ」という。「そんなことをして盗難にあっても、わたしは責任をとらない」「そもそもこんなに迷惑をかけられて、車をレンタルしたにもかかわらずタクシー移動ばかりで金がかかっているのだから、今回のレンタル代は一切払うつもりはない」といった。相手は即答を避けたが、通訳さんがいい人でこちらのいうことをプッシュしてくれて、ようやく担当者は折れた。わたしは彼の名前とIDナンバーを聞いておいた。この会社の人は、どーも信用ならないから、念のため。
 7時半過ぎに、携帯電話に通知不可能の着信が何本も残っていた。当然、わたしはライヴ中なので出られない。嫌な予感がした。もしかして、レンタカー会社が車を見つけられないのではないだろうか? それにしても、わたしがかけて欲しいと頼んだ時は「かけられない」と断固として断っておきながら、自分たちが困った時はガンガンかけてくるなんて、いい根性だ。しかも、修理の車が到着したのが、7時半! わたしが最初に電話をしてから、なんと約5時間もたっている! UNBLIEVABLE!
 その晩も、よく眠れなかった。「もし、車が盗難にあったら、約束を破ってわたしに車の代金を請求されるのではないか」という心配が、頭を離れなかったからだ。
 4日目。気になったので、LAの空港からレンタカー会社に電話をした。そしたら、心配したとおり、車は見つかってないという。本当にもうめまいがしたよ。また同じことを一から説明して、押し問答。結局、搭乗時間ギリギリまで電話で話してて、空港で土産の1つも買えなかった。
 このレンタカー会社のせいで、今回の旅行は最悪だった。わたしは仕事やプライベートで100回以上海外旅行をしているし、いろんなトラブルを山のように経験している。だけど、こんなに不愉快で腹のたつトラブルは初めてだ。貴重な自由時間をつぶされた挙句、腹のたつことが次から次へと起きて精神的にバッドだった。絶対、血圧はレッドゾーンの連続だっただろう。ほとほと疲れたよ。
  でも、まぁ、事故や盗難ではなかったので、不幸中の幸いと思うことにしよう。いろんな人が気をつかってくれて、「やっぱり日本人は、優しいなぁ(涙)」と身にしみて思ったしね。
 帰国翌日に、日本支社に電話して、ことの顛末をこと細かく話した。何回かのやりとりがあった後、結局、レンタカー代はなし+余計にかかった費用は出してくれるということで、話は落ち着きそうだ。まだ本当にお金が返ってきたわけではないので、決定ではないけどね。
 そーそー、帰国して驚いたのは、携帯の海外通話料が2万円以上もかかってしまったこと。レンタカー屋のエマージェンシー・コールはフリー・ダイヤルなのだが、日本の携帯からだと1分につき105円(だったかな?)かかってしまうのだそう。全然知らなかった〜。みなさんも海外に行った時、無料だと思って長話するとお金かかってしまうかもだから、気をつけたほうがいいよ。
大島暁美のロックンロール日記