ロックンロール日記
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世の中すべてGIVE&TAKE

 この言葉は、わたしの生きていく上での根本思想というか、ポリシーのようなもの。GIVE&TAKEと聞くと、すごくドライに感じる人が多いかもしれないけれど、決してそうではないと思うんだ。家族、友達、恋人、仕事仲間……世の中はみんな、持ちつ持たれつの関係で成り立っていると思う。たとえば、友達に悩みを相談したとしたら、その友達が悩んでいる時は力になってあげたいと思うでしょ? 恋人に誕生日のプレゼントをもらったら、その人の誕生日には何か素敵なものをあげたいと思うはず。そういう風に考えていくと、すべての人間関係でGIVE&TAKEのバランスがとれていたら、争い事なんか起こらないと思うんだ。電車の中で老人に席を譲ったとしたも、その人が「ありがとう」っていう素敵な笑顔を返してくれたら、それだけで幸せな気分になれる。災害地の人たちのために募金をしたとしても、「これで被害にあった人たちが少しでもおいしいものを食べてくれたら」と思えば、心が豊かになるんじゃないかな。「わたしは、こんなにいいことしたんだよ〜」っていう自己満足でも、十分。ものをあげたからって、もので返してもらう必要なんて全然ない。自分が行った行為によって、自分の心が満たされば、それだけで完璧なGIVE&TAKEが成立すると思うんだ。
 だから、無償の愛なんてありえないと思う。極端な話、「あの人のためだったら、死んでもいい」と思ったとしても、そう思うことで自分が満足できるのなら、それは自給自足かもしれないけれど、GIVE&TAKEになってる。ちょっと方向性が、歪んでいるとは思うけどね。
 なので、わたしは、いつも取材をする時、たとえ相手が新人だろうと「取材させてもらって、ありがとう」という気持ちを忘れないようにしている。相手も「取材してくれて、ありがとう」って思っていれば、お互いに気分よく仕事ができるし、信頼関係も築ける。でも、たまに新人の時は「取材してくれて、ありがとう」なのに、売れた途端に「取材させてやってんだから、ありがたく思え」という態度のアーティストもいるけれどね。そういう人は、いちばん嫌いだな! 
大島暁美のロックンロール日記