ロックンロール日記
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こういう人が殺人犯になるんだ!

 その日、わたしはJのライヴが行われる日比谷野外音楽堂に向かうため、国道246号線を車で走っていた。渋谷の手前のトンネルで渋滞していたところ、突然、ボンという大きな音と軽い衝撃に襲われた。とっさに「追突された!」と思い、車から降りると、わたしの車のすぐうしろに白っぽいベンツがいた。サングラスに茶髪の女が、シートベルトをしたまま左側の運転席の窓を開けて、「お怪我はありませんか?」と声をかけた。右側の助手席には、サングラスをかけた男が乗っている。「大丈夫だと思いますけど」と答えたら、「ここで降りると渋滞しますから、トンネルを出たところで左に寄って止まってください」といわれた。それで、わたしはいわれたとおり、トンネルを出たところでハザードを出して停車したのだけれど、そのベンツは車線変更もせず、そのまま走り去ろうとした。あわててあとを追いかけ、かろうじてベンツのナンバーと車種をメモしたが、その車は信号を無視して逃げてしまった。平気で嘘をついて逃げるその態度に頭にきて、すぐ警察に電話。だが、Jのライヴの開演時間が迫っていたので、帰りに所轄の交番に行って事故届けを出すという手はずにして、とりあえず会場に向かう。

 終演後、警察で教えられた交番へ行く。おまわりさんが二人いて、一人がわたしの話を聞いてくれた。怪我もないようだし、車の破損も確認できなかったけれど、とりあえず、ナンバーから所有者を割り出してくれた。有限会社の所有車だったのでその会社に電話をしてみたら、土曜日の夜なのに人が出た。その車は娘が乗っているということだったが、今日は群馬に行ってるはずだとかいってる。おまわりさんが「娘さんに連絡をとりたいから、携帯の番号を教えてください」といったら、なぜか10桁の番号をいう。おまわりさんが「ひとつ番号が足りないのでは?」と何回もいうと、「娘に連絡をとって、かけさせます」といって電話を切った。この時点でおまわりさんは、「なんだか変だ」といってたけど、娘の携帯番号を教えたくながっているのがミエミエだ。だって、本当に10桁の番号しか知らなかったら、その人も娘に連絡をとることはできないはずだからね。
 しばらくして娘から電話がかかってきて、おまわりさんが「今日の夕方、渋谷の246を通ってなかったですか?」と尋ねると、「昼間は静岡にいて、今は群馬にいるから通ってない」と言い張ったらしい。「あなたの車に追突されて、そのまま逃げられたといってる人が、今、ここにいるんですけど」といったら、突然、逆ギレして、「警官が民間人を脅迫するとは、なにごとだ!」と、怒鳴り散らし始めたという。しかも、「わたしは麹町署の所長を知ってる」とかいって、おまわりさんにすごんだらしい。
 結局、証拠がないので、その女がわたしの車に追突したことは実証できなかった。これがもっと大きな事故だったら現場検証とかしてくれたんだろうけど、なにしろ本人にも車にも被害がなかったからね。わたしとしては「実害がないから、警察でも相手にしてもらえないかもしれないな」と覚悟していただけに、ちゃんと応対してくれて、「僕があなたの立場だったら、めちゃくちゃ腹が立つ」といってくれたおまわりさんに、感謝したい気持ちだった。ただ、相手の女(助手席の男も車の所有者の親に対しても)には、ものすごく腹が立つ。別にたいした事故じゃなかったのだから、その場でちゃんと話し合いをして、万が一の場合のために連絡先を教えてくれれば、それで終わりにするつもりだったのに。「右に寄せて待っててくれ」と嘘をつき、信号を無視して逃走し、警察から確認の電話がかかってきたのにまたしても嘘をついて逆ギレするなんて、ある意味でこれは犯罪だと思う。追突は不注意の事故だけど、逃げたり嘘ついたりするのはその人の意図的な行為だから、悪意がないとできない。こういう人間が平気でひき逃げとか、人殺しをするのではないだろうか。そういうときにはもっと詳しく現場検証をして、科学捜査などもして、相手が嘘ついてバクれようとしても、ちゃんと警察が捕まえてくれるのだと信じていたい。
 そして、たいした事故ではなかった場合の教訓。たとえ渋滞しようが何しようが、絶対にその場を動かない。それから、相手のナンバーはメモるのではなく、携帯のカメラで撮影しておく。この二点に気をつければ、すくなくとも今回のわたしのように悔しい想いはしなくてすむだろう。
 ホントはね、その車のナンバーをここで公開して、その車に出会ったこのサイトの読者全員がFUCKとかデス・サインを出してやるなんてことができれば、痛快なんだけどなぁ〜映画だったら街中の人にFUCKサインを出されて、そのドライバーはいたたまれない想いをするなんていう展開になるのにね……現実は、ツマラナイ(涙)。
大島暁美のロックンロール日記