お酒との付き合い方
From 「大島暁美著作集2」
 
酔っ払うのに理由なんて必要ない 箸が転んでも暴れたいんだから
HIDEちゃんとの対談テーマといえば、これっきゃないでしょう(笑)。
あまりにもエピソードが多すぎて、四苦八苦。
でも、ここまでしゃべっちゃって、い〜のかなぁ・・・

大島:あ、HIDEちゃん。その様子は、もしかして、二日酔い?
HIDE:二日酔いどころか、四日酔い。
大島:四日酔いのところ、大変申し訳ないんだけど、今日のテーマは酒なの。
HIDE:別にいいよ。俺は、大丈夫。
大島:ソロツアー中は飲んでなかったって言ってたじゃない。
HIDE:飲んでたよ。あなた、知ってるじゃない(笑)。ライブの前の日は飲んでなかったけど、あとは結構、飲んでた。
大島:移動の前日とか?あの朝まで飲んだ名古屋は、移動の前日だったんだよね?
HIDE:そう。だって、俺、泥酔状態じゃなくて、移動したことなかったもん。
大島:昨日と話しが違うよ。昨日の某誌のインタビューでは、「ツアー中、僕は摂生してました」って話してたじゃない(笑)。
HIDE:だから、それはライブの前の日の話しだってば(笑)。でも、泥酔して移動すると面白いんだよ。空港のあの検査するところでピンポーンって鳴らないと、「すいません、僕、ハイジャックなのに、いいんですか!?」って。
大島:それってさ、ただの酔っぱらいじゃない。昼間っから。
HIDE:超はた迷惑(笑)。
大島:最近、ヒデラになる?
HIDE:今回のツアーは一回だけだった。
大島:ウソツキ。
HIDE:ホントだよ、一回だけだってば。
大島:×××情報によると、三回だったとか。
HIDE:ああ……、ちょっとね(笑)。でも本格的なのは、一回だけだったよ。
大島:わたしはさ、ヒデラっていう人を解明してみたいんだけど。
HIDE:いいよ、そんなの、しなくても。
大島:どういう人なの?
HIDE:知らないよ。覚えてないもん。
大島:じゃ、アケラと一緒だな(笑)。
HIDE:でも、今回のは覚えてる。請求書がすごかった。
大島:今回は、何をぶっ壊したの?
HIDE:全部。
大島:え、全部?部屋の中のものを?

HIDE:そう。なんだか楽しくなっちゃってさ。別になにも怒ってなかったんだけどね。JOEと一緒に朝方ホテルに帰ってきて、誰かを誘ってまだ飲もうとしてたんだ。そしたら、INAちゃんの部屋から声がしたんで、「一緒に飲もう」ってドアをたたいたら、シーンとしちゃったんだよ。それで、「あれ、居留守つかってる」って、JOEと一緒にドアをたたきまくってたんだ。

大島:それ、何時頃のこと?

HIDE:わからない。たぶん、6時頃だったと思う。それで、2人でドアをたたいているうちに、どんどん気持ちがエスカレートしてきて、最初のINAちゃんを飲みに誘うっていう目的を忘れて、このドアを開けるっていうことがすべてだと思っちゃったんだよ。それで、消火器を持ってきてガンガンたたいてたんだ。そのうち、体当たりをし始めたら、余計に酔っぱらってきちゃってさ。それで、そのまま部屋に戻ったんだけどもう止まらなくて暴れまくってた。

大島:ああ、八つ当たりされたホテルの部屋がかわいそう……。

HIDE:でも、すごく面白かったんだよ。朝起きたら、部屋が異空間になってた。

大島:えっ。じゃあ、その暴れまくったあとの部屋で寝てたの?

HIDE:そう。窓からは、いろんなものが自殺してるし……。

大島:相変わらず(笑)。

HIDE:それで、RANちゃんが俺の隣の部屋だったんだけど、音がするからって俺の部屋をのぞこうとしたら、バーン!ってイスが飛んできたんだって(笑)。

大島:それ、ひとりでやってたの?
HIDE:うん。そのときは、もうみんな避難してた。
大島:でも、それを覚えてるんだ。
HIDE:普段はほとんど覚えてないんだけど、その日のことは覚えてる。朝起きたら、ホテルの偉そうな人たちが、顔を突き合わせて見積もりを作ってた。
大島:今までの酔っぱらいくんの中で、でいちばんすごかったのってどんなこと?
HIDE:デビューしたての頃。その時は、誰もいなくて俺ひとりだったんだけど。「止まれ」の標識を持って青梅街道を歩いてた。
大島:車を止めようとしてたわけ?
HIDE:わかんないんだけどね(笑)。歩行暴走族。
大島:それ、覚えてるの?
HIDE:うん、なんとなく覚えてる。それで、自分からおまわりさんのところに行ったんだもん。
大島:なにしに?「僕は歩行暴走族だから、捕まえてください」って!?
HIDE:それ、冬のことでさ。寒かったから、標識を持ったまま交番にいって、「ちょっと暖まらせてきださい」っていったんだ。でも、そのときの行動にはちゃんと理由があった。
大島:怒り系?
HIDE:悲しみ系。
大島:やっぱりヒデラになるときって、理由があるのかなぁ。
HIDE:ないときもある!
大島:ないときもあるよね。
HIDE:あけぴぃだって、ないでしょ。
大島:ないと思うんだけど……。最近、よく考えるんだよね。アケラになったあと、女友達が「アケちゃん、なにかつらいことを心にためてるんじゃないの」って、心配してくれるのよ。でも、本人はまったく心当たりがない。
HIDE:でしょ。理由なんて、必要ないんだよ。お互いに、箸が転げてもおかしい年頃ということで(笑)。
大島:箸が転げても暴れたい年頃だったりして(笑)。
HIDE:年齢差がかなりあるような気がするけれど、まあ、気にしないでおこう。
大島:わたしは暴れるんじゃなくて……。
HIDE:踊るんか(笑)。
大島:でも、HIDEちゃんの場合、ケガしちゃうことも多いよね?
HIDE:そんなの、いっぱいあるよ。
大島:有名なのは、ライブの前の日に……。
HIDE:これでしょ(と、右手を見せる)。こぶしの山がなくなって、手が変形してしまった。たしかツアーの初日の前で、渋谷公会堂のエクスタシーサミットのあとだったんだよね。
大島:なにを殴ったの?
HIDE:ヒト。
大島:人を殴って手がこんなになっちゃうってことは、相手はさぞかし……。
HIDE:痛かったんじゃない(笑)。
大島:これって、骨折じゃないよね?
HIDE:わからない。医者には行ったけど、超応急処置しかしないで、そのままほってあるからね。俺、酔っぱらって骨折したことはない。
大島:え〜、ホント?
HIDE:骨、折ったこと、あんの?
大島:……ある。
HIDE:まさか男を殴ったんじゃないだろうな(笑)。
大島:それはないよ。若かりし頃の話なんだけど、何人かで酔っぱらって、道を歩いてたのよ。それで、みんなが石の上から飛び降りたりして遊んでて、「わたしはもっと高いもん」とかいって、ひとりで車のボンネットの上から飛び降りたら、着地に失敗したらしくて、足の甲の骨を折ってしまったの。
HIDE:車のボンネットって自分の?
大島:違う。そのへんに停めてあった車。
HIDE:ひでぇ〜。
大島:でも、そのときはなんでもないと思ってたの。それで、ちゃんと歩いて帰って、翌朝、起きようとしたら痛くて歩けなかった。
HIDE:それで腰の骨を折っちゃったの?
大島:腰の骨じゃないよ。足の甲だってば。
HIDE:ああ、驚いた。腰の骨を折ってるのに歩いて帰ったなんて、やっぱりこの人は人間じゃないって思うところだった(笑)。

〜以下後編へ続く〜
MEMORIESトップページへ