LUNA SEA のライヴ当日。午後の2時頃、スタジオから電話が入る。やっぱり朝の6時から撮影準備がスタートし、順調に進んでいるという。しかも、誰もがHIDEは遅刻してくるに違いないと思っていたのに、他の誰よりも早く、6時ぴったりスタジオに来ていたとか。彼は連日謎の作業を続けていて、寝不足のはずなのに……う〜ん、すごすぎる……。午後4時半に、もう一度スタジオから電話がかかってくる。あと2カットだけど、もし、ライヴに間に合わなかった時のために、連絡方法を決めておこうという電話だった。HIDEはLUNA SEA のニュー・アルバム『EDEN』を聴いて、踊りまくりながら撮影に臨んでいるという。う〜ん、すごすぎる……。

 果たして、ライヴが終わってからバックステージに行ってみると、やはりまだHIDEの姿はない。スタジオに電話をしてみると、たった今、撮影が終わったところだという。そのまま直接打ち上げに行くことにしたHIDEは、この時、牛乳を飲んで体調を整えていたそうだ。いやはや……(笑)。

 そこで、メンバーに「お疲れ様」をいうため、楽屋に行った。まず最初にやってきたのが、RYUICHI。髪を切ってから会うのが初めてだったので、

「なんだか男っぽくなったね」といったら、

RYUICHI 「僕も、大人になったんですよ」

とニコニコしていた。
 続いて
、ピンクの髪がまぶしいJくん。ステージでは、後半、黒い網のシャツを着て、パンクっぽくキメていた。その時、べ−スの位置がいつもより低かったような気がしたので、

「ストラップをいつもより長くしたの?」と聞いたら、

J 「わかりました? ポール・シムノンを意識して長くしてみたんです」という。

J 「でも、彼は手足が長いからストラップをいちばん長くしてもちゃんと弾けるんだけど、俺は大変なんですよ」

なんて、謙遜していたけどね。それから「お疲れ様でした〜」と登場したのが、INORAN。彼は、この日、ロシアっぽい雰囲気の黒い帽子を被っていたので、

「INO、コサック・ダンス踊ってよ」と冗談をいったら、

INORAN 「コサック・ダンスって、なぁに?」と首を傾げている。

「ロシアの民族舞踊だよ」と説明したら、

INORAN 「あ、あれね」

といって、本当に廊下で踊ってくれた。最近、ステージでは男っぽくワイルドな感じになってきてるINORANだけど、やっばりオフはホノボノとしている。彼のこのキャラクターは、貴重だと思うな〜。

 その時、ふと横を見たら、真矢が某ロッキンf編集部員マトバビッチAVスキーと、なにやらこそこそ密談している。しかも、AVスキーはあやしげなビデオを、真矢に渡しているではないか! このニックネームで一目瞭然だと思うが、彼はその筋のコレクターとして、非常に有名な人物なのである、そこで、

「真矢、エッチ・ビテオをもらってるんでしょ」といったら、

真矢 「違うよ。これ、ドラムの教則ビデオなんだよ」

と首を振ってる。でも、その場の雰囲気からはそんなこととても信じられず、それからあともずっと「真矢のエッチ」とからかっていたのたけれど、彼は

真矢 「本当に違うんだっては〜」

と真剣に否定していた。
 後日、真相をAVスキーに確かめたら、それは本当に菅沼孝三(元デッド・チャップリンのハイテク・ドラマー)の教則ビデオだったそうだ。真ちゃん、あらぬ疑いをかけて、ごめんね(笑)。最後に、楽屋に訪れた多くの関係書に挨拶をして回っていたSUGIZOがやってきた。それで、人の顔を見るなり、ひとこと、

「あれ、HIDEさんは?」

だって。お〜い、わたしゃ、HIDEさんのマネージャーじゃないぞぉ(笑)。

イラスト・ひーchan