「LAでジェットコースター三昧」の巻 前編

明日の12時、集合ね!

「それで、どこに行く?」
PATA「どこでも、いいよ」
「じゃ、マジック・マウンテンに行こうよ!」
PATA「え〜っ!」
「私、前に一度行ったことがあるんだけど、その時は日曜日で超混んでて、3つしかジェット・コースターに乗れなかったんだ」
PATA「やだ。俺、自慢じゃないけどジェット・コースターって大嫌いなんだ」
「あ、そう……(くすん)」
 マジック・マウンテンというのは、ディズニー・ランド、ナッツべリー・ファームと並んで、LAの三大遊園地として有名なところ。しかも、ほとんどの乗り物がジェット・コースターとか絶叫系のものばかりで、若者に絶大な人気のある遊園地なのだ。その時、側でわたしたちの会話を聞いていたHIDEが、
「いいじゃん、マジック・マウンテン! 明日、みんなで行こうよ!」

と、いいだした。HEATHも、

HEATH「いいね〜」

とニタリと笑っている(この笑顔の意味は、翌日判明する)。そして、

「よぉし、明日は『ゆばまんがしら、LAで遊園地に行く!』で決まりだ。みんな、明日の12時に俺のうちに集合ね!」

というHIDEのひとことで、翌日のマジック・マウンテン行きが決定した。そのやりとりをじっと聞いていたPATAは、

PATA「俺は昼間はパスするから、夜、飲みに行くときに誘いに来てね」

などと、悠長にいっていたのだが……。

やっぱり、みんなで行こうよ

 翌日12時。HIDEの家にHEATHやスタッフ総勢8名が集合した。普段はこんな時間に集まるなんて、あまりないことなんだけれど、やっぱりみんな遊園地行きが楽しみだったらしい。HIDEは午前8時に起きて、既に朝食まで食べ終えているという。みんながコーヒーを飲みながらなごんでいると、HIDEが

「PATAの家に電話しよう」と言いだした。

「なんやかんやいっても仲間外れにすると寂しがるから、やっぱり誘おうよ」

という、彼なりの思いやりらしい。しかし、昼間の12時という時間はPATAにとって早いらしく、虚しくコールが続くだけ……。そしたら、

「ええぃ、面倒臭い。じゃ、PATAの家に乗り込んで、さらってきちゃおう」

と、いかにもHIDEちゃんらしい強引かつ積極的な発言。そして、わたしたち8人は、HIDEがLAで購入した58年製キャデラックという超でかい車に全員で乗り込み、一路PATAの家へと向かった。この車はなんと補助椅子が出るほど大きくて、9人は乗れるというスグレモノなのである。以前、私の5人乗りの愛車に、HIDE、KYOちゃん、J、PATA等、8人がぎゅうぎゅう詰めになって乗ったという悲惨な事件(?)があったが、今回は、快適である。みんなで

「どうやって、PATAを連れ出そうか?」

という相談をしている間、車はフリーウェイをPATAのうちに向かってひた走っていた。

イラスト・ひーchan