LAでジェットコースター三昧の巻 後編

裏目にでてしまったゴンドラ移動

 次に乗ったのは、「ニンジャ」というネーミングの変わった乗り物。これはジェット・コースターの線路が下ではなく上についているという代物で、一見、楽しそうに見えたのだが、ゆらゆらと左右に揺れてそれが結構恐かった。PATAは

PATA「俺はパス」

ということで、木陰でお休み。しかし、

HIDE「こんなの、全然平気」

と甘くみていたHIDEは、意外なスリル感に

HIDE「楽勝そうに見せといて、あんなに揺れるなんて詐欺だ!」

と怒っていた(笑)。

 それから、次に遊園地の端にあるここの名物コースターのひとつである「コロッサス」に乗ることになった。これは木でできていて、約3分という世界でも有数の搭乗時間を誇るジェット・コースターである。しかし、わたしたちがいた場所からこのコースターのある場所まではかなり距離があった。なにしろマジック・マウンテンの敷地は、日本の遊園地とは比較にならないくらい広い。その中をほぼ横断するように歩いていくのは、既にかなり弱っていたPATAちゃんには相当しんどそう。

 その時、ふと頭上を見上げたら、ちょうど園内を横切るような形でゴンドラが空中を走っているのが、目に入った。地図で確認すると、ちょうどコロッサスの入口あたりまで行けることになっている。

大島「ねえ、遊園地の向こう側まで行くのに、あれに乗っていこうよ」
PATA「ジェット・コースターじゃないだろうな」
大島「違うよ、ゴンドラ。あれに乗れば、歩かなくてすむんだよ」
PATA「恐くないんだろーな」

大島「大丈夫だってば」

 というわけで半信半疑のPATAを連れて、わたしたちはそのゴンドラに乗り込んだ。

 しかしっ…、優雅そうに見えたそのゴンドラは、乗り場を離れた瞬間、すごい勢いで空中へと上り始めたのだ。前のゴンドラに乗って、余裕で私たちのゴンドラの写真を撮ろうとしていたHIDEが、そのあまりの勢いにあわてて手すりにつかまってしまったほど。しかも地上で見ていたのより、ずーっと高い。広大な遊園地が端から端まで見渡せ、地上を歩く人たちの姿はほんの米粒くらいにしか見えない。しかも、風で不気味にゆらゆらと揺れるのだ。ジェット・コースターとはまた違う、別の意味での恐怖感いっぱいの乗り物だった。

PATA「どこが恐くないんだよっ」

というPATAの目は、すっかり三角になっている。

PATA「俺はジェット・コースター以上に、足の下になにもない不安定な乗り物が大嫌いなんだ」といわれ、

大島「でもPATAちゃん、景色がきれいだよ」

とかなんとか、必死に言い訳をするかわいそうな私。しかも、HIDEやHEATHにも

HIDE「ジェット・コースターより、恐かった」

「誰だよ、あんなのに乗ろうっていいだしたのは」

といじめられ、私はすっかり小さくなってしまった。みんながあまり歩かなくていいように、私は気をつかったつもりだったのにな……くすん。

イラスト・ひーchan