R&R DIARY

 

9月2日

劇団☆新感線SHINKANSEN☆RX『Vamp Bamboo Burn~ヴァン !バン!バーン!~』@赤坂ACTシアター
今回の舞台は生田斗真さん扮する主人公が、ヴィジュアル系バンドのヴォーカルという設定なので、いつにも増して楽しみ♡ Metalくんがそのバンドのベーシスト役なのも、嬉しい。ずいぶん前からその話は聞いていて、「舞台もあるし、オリジナルのピックを作りました〜!」なんて無邪気に(あのルックスだけど、笑顔は可愛いのです)喜んでいたので、とても期待していた。
 

会場前に貼られていたポスター。

会場前に貼られていたポスター。


 
 
「主人公のTOSHIROはヴァンパイアで、1000年前から想いを寄せる女性を、現代ではヴィジュアル系バンドのヴォーカルとして活躍しながら捜している」というストーリーで、脚本が宮藤官九郎さんだからそこにいろんな要素がテンコ盛りで、ジェットコースターのような舞台だった。
TOSHIROが想いを寄せる女性の正体はエイリアンで、ステージ上で「エイリアン!」「ヴァンパイア!」と出演者が交互に叫ぶシーンがあって、それを見ているうちにすっごく不思議な感覚に襲われた。
実は、20年以上も前、映像作品「Seth et Holth」を作った後、映像にすごく興味を持ったhideちゃんを中心に「出演者が全員ヴィジュアル系ミュージシャンの、映画を作ろう!」という話で盛り上がったことがあった。結構真剣に考えていて、何十回もそのためのミーティングと称した飲み会が開かれ、あーだこーだとみんなで意見を戦わせていた。メンバーは「Seth et Holth」の制作に関わった人たちが中心で、そこにこのプロジェクトを実現するために、某大手広告代理店の人たちも加わっていた。
当時、わたしは雑誌「フールズメイト」で「ゆばまんがしら」という謎の連載をしていたのだが、実は、それはこのプロジェクトの進行をちょっとずつ読者の方々に知らせていこうという意図で始まったものだったのだ。「ゆばまんがしら」はフールズメイトさんのご好意で、このサイトの「MEMORIES」にバックナンバーが掲載されているが、最初の紹介文にそのいきさつが書いてある。
http://www.esp.ac.jp/oshima/memories/index.html
残念ながら「ゆばまんがしら」の中ではその映画の話を書くまでにはいたらなかったのだけど、わたしはhideちゃんや他のクリエイターさんと何度も打ち合わせをして、ちゃんと脚本を書いたのだ〜! 「大手の映画会社やスポンサーに売り込むためには、まず脚本が必要だ」といわれたので、映画一本分200枚くらいを必死で書いたんだ。ダメ出しを出されて、2、3回書き直した記憶があるけど、とにかくその頃は「映画を作る」という夢に燃えていたので、それほど苦ではなかった。
内容は、みんなが共通して好きだった「ロッキー・ホラー・ショー」のような話。「ロッキー・ホラー・ショー」は異星人の話なんだけど、ある日、ミーティングの最中にhideちゃんがすくっと立ち上がって、「だから、ヴォンパイアがエイリアンなの!」って叫んだのだ。映画の登場人物の設定をみんなで話している時のことで、その前後のいきさつはあまりにも昔のことなのでハッキリ覚えていないのだけど、とにかくhideちゃんがものすごく熱く「ヴァンパイアがエイリアンなんだよ!」って話してたそのシーンを妙にリアルに覚えている。
それで、新感線のステージ上で出演者が「エイリアン!」「ヴァンパイア!」って叫んでいるのを見ているうちに、その時の光景が脳裏に鮮明に蘇ってきた。頭の中ではhideちゃんの声がぐるぐる聞こえて、心臓はバクバク。このまま心臓が破裂して、客席で倒れてしまうんじゃないかと思ったほど。本当に今までに感じたことのない、すごく不思議な感覚だった。
しかも、心臓のバクバクが収まらないまま公演のパンフレットを開いたら、いちばん最初に載ってた生田斗真さんのインタビューの中にhideちゃんの文字が! 彼のインタビューは「ヴィジュアル系というジャンルを確立したXのhideはそんな優しい人だった。会ってみたかったな。観に来てほしかったな」という言葉で、締め括られていたのだ!
もーね、卒倒するかと思ったよ。
ヴィジュアル系とエイリアンとヴァンパイアはかなり親和性があるから、3つが一緒に出てきたってとりたてて驚くようなことじゃないかもしれない。Metalくんから、「生田斗真さんはhideさんのことが好き」って話も聞いてたのだけど。
でもでもでも。舞台の上と、20数年前の出来事が頭の中でリンクして、脳内サラウンド状態。自分だけが別の次元に放り出されたような、なんともいえない強烈な感覚だった。
終演後、Metalくんが生田斗真さんを紹介してくれたんだけど、ぐるんぐるんのドキドキのままだったから、ちゃんと会話ができなかったような気がする(笑)。
遠い記憶の中に埋もれかけていた1シーンを、リアルに追体験したようなこの日の出来事。
もし、あの映画が実現してたら、どうなったんだろう? hideちゃんはどんな「ヴォンパイアがエイリアン」な主人公を演じたのかな?
想像するとすごく楽しくて、ちょっぴり切ない気分になっちゃうな。
 
公演パンフレット。これ自体、ロッキー・ホラー・ショーをイメージさせるデザイン。

公演パンフレット。これ自体、ロッキー・ホラー・ショーをイメージさせるデザイン。


 
生田斗真さんのインタビューページ

生田斗真さんのインタビューページ


 
これが、文章の締めくくりのひとことです。

これが、文章の締めくくりのひとことです。


 
 
 

2016-09-02