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◆第十一回 いいインタビューをするためには |
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前回、「いい文章を書くためには」というタイトルで、人に読ませる原稿を書くときのコツを簡単に説明しました。そこで、今回はインタビューのコツを紹介します。音楽ライターのお仕事の中には、「書き原」と呼ばれる資料のみを元に書く原稿やライヴ・レポートなどもありますが、やはりインタビュー原稿の依頼がいちばん多いというライターさんがほとんどだと思います。音楽ライターをめざすみなさんの中には、「ミュージシャンにインタビューしてみたい」というのが志望動機の人も多いでしょうから、いいインタビュアーになれるように頑張ってくださいね。 |
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さて、インタビューというと、みなさんはどんな光景を思い浮かべますか? なかなか実際のインタビュー風景を見たことのある人は少ないでしょうが、簡単にいってしまえば、テレビのトーク番組を思い浮かべてもらえばいいのです。たとえば、「徹子の部屋」。1対1で相手の話をじっくり聞くという意味では、あの番組はライターをめざすみなさんにとって、とてもいいお手本になると思います。ただテレビカメラがテープレコーダーに変わっただけと考えれば、インタビューの光景もすんなり具体的に頭の中に浮かべることができるでしょう。
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インタビューを行う上で、いちばん大切なことは何でしょうか?
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これには人それぞれいろんな答えがあるかもしれませんが、わたしは「会話をスムーズに行うこと」だと思います。たとえば、「徹子の部屋」で黒柳さんは相手の反応に合わせて、次々に話題を変えたり膨らませたりしていきますよね。もし、次の質問に困って「うーん……」なんて言葉に詰まったり、手元のメモをチラチラ見て会話が途切れてしまったら、司会者として失格です。インタビュアーも、それと同じこと。テレビカメラがないから空白の時間が流れても関係ないと思う人もいるかもしれないけれど、会話がスムーズに流れていかないと相手のいいたいことを引き出すのが難しくなってしまいます。とおりいっぺんとうの取材だったらメモを片手にしどろもどろのインタビューでも何とかなる場合もあるかもしれませんが、相手の本音を引き出して他のインタビューとは違う原稿を書きたいと思ったら、会話の流れはとても大切です。会話が弾んで楽しくインタビューが進んでいくと、アーティストは他の取材ではいわなかった貴重なエピソードを思い出して、話してくれたりするものです。では、そのために必要なことを、具体的にあげてみます。 |
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今までにいろんなミュージシャンから実際に聞いた、困ったちゃんインタビュアーの実例を紹介します。
- インタビュー中、9割くらい自分の感想をいって、最後に「僕はこう思ってるんだけど、そうだよね?」と自分の意見を押しつけてきた。
- インタビューの間中、なぜか全然関係のない自分の姪の話をずっとしていた。
- 取材中、ずーっと下向いてて、一度もアーティストの顔を見なかった。
- どうやら他のバンドと勘違いしているらしく、いってることがチンプンカンプンだった。
- 最後までバンド名を、きちんといってくれなかった。
- ガムを噛みながらインタビューをしていて、その音が気になって仕方なかった。
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もっとも、わたしも取材のときに胸の開いた服を着ていって、「目のやり場に困って、取材に集中できなかった」と文句をいわれたことがあります。常識的なことですが、いかにアーティストに気持ちよく取材に集中してもらえるかを考えることも、インタビュアーにとっては必要なことです。 |
簡単ですが、インタビューをする際に気をつけたいことを書いてみました。インタビューというと難しく考えがちですが、基本的には人と人とのトークですから、普段、友達と話すときにも「どうしたら楽しく会話できるか」を考えて、実践していくのが最大の訓練方法なんじゃないかと思います。
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